高断熱・高気密住宅 デメリットがあっても選ぶべきメリットとは

更新日:
2020.04.09

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注目を集めている高断熱・高気密住宅。一方で、思っていたより寒い、日本の気候では、結露やカビなどが心配、などのネガティブな意見も散見されます。

それでも、高断熱・高気密住宅を建てる人が増えているのはなぜか?
ここでは高断熱・高気密住宅のデメリットと思われる内容を確認しながら、そのメリットをあらためて考えてみたいと思います。

 

■目次

 

 

高断熱・高気密住宅とは? その定義、基準は?

一口に高断熱・高気密住宅といっても、それはどのようなものなのでしょうか。

 

高断熱・高気密住宅に明確な基準はない

断熱性、気密性の高い家として、「高断熱・高気密住宅」の呼び名が広まっていますが、実はその明確な定義は存在しません。ハウスメーカーや工務店が独自に定義した上でそれぞれが高断熱・高気密住宅をうたっているのが現状です。

高断熱に関する指標としては、国土交通省の「建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)」の2013年次世代省エネ基準があります。

断熱性はUA値(外皮平均熱貫流率)によって、全国8地域ごとに定められています。 最も厳しい1地域・2地域(北海道)でUA値0.46、多くの人が暮らす5地域・6地域(北関東・南関東以南)でUA値0.87が次世代省エネ基準の定める断熱性です。

高気密に関する指標は1999年の次世代省エネ基準において、寒冷地でC値(床面積1㎡あたりの隙間面積)2.0W/㎡・K以下、その他の地域でC値5.0W/㎡・K以下の規定が設けられましたが、2013年の次世代省エネ基準ではこの規定が削除されています。

 

 

高断熱・高気密住宅のデメリット、欠点と思われているところは?

住宅を建てるにあたり、高断熱・高気密にすべきかを考えた時、すでに建てた人の意見は気になります。高断熱・高気密住宅を建てた人のブログなど見ていくと、いくつか気になるネガティブな意見も見受けられます。
どのようなものがあるのか具体的に見ていきましょう。

 

高断熱・高気密住宅はコストが高い?

高断熱・高気密住宅にはしっかりとした設計と綿密な施工が求められます。適切な断熱材の採用と気密施工はコストに直結するため、高断熱・高気密住宅として設計していない家と比べると割高に見えるかもしれません。

しかし、しっかりとした断熱・気密が行われた家は、快適な暮らしを実現すると同時に冷暖房費にかかる光熱費の節約を実現します。
建築費用を考える時は、この先何年も住んでいくうえでのランニングコストもあわせて考える必要があります。その観点から考えると、高断熱・高気密住宅は一概に高いとは言えません。

 

高断熱・高気密住宅なのに冬寒い。どうして?

一般的に高断熱・高気密住宅は家全体を保温し、熱が逃げにくくなるため、普通の家に比べて冬は温かいものです。それなのに、思っていたより寒い、という声があります。

例えば高断熱サッシを使用しない窓を大きく取っていたり、間取りによっては、暖房効率が悪くなっていたりすると、冬寒い部屋ができてしまう場合もあるようです。

各部屋で一定の室温を保つには、空気の通り道を適切に設定した暖房計画をしっかり立てることが大切です。 住居の立地地域によっては、脱衣場やトイレなどに個別暖房を設けるなど家全体を温かく保つ工夫も必要になります。

 

結露が心配ってどの程度? カビは大丈夫?

高断熱・高気密住宅は家全体を温かく保つため、室外と温度差が生じ、高気密ゆえに、湿気がこもりやすいと考える人もいるかもしれません。

しかし、高断熱・高気密住宅はしっかりと断熱し、気密性を高めて、冷たい外気が局所的に溜まる環境を作らないように、湿気がこもらないように設計されています。また現在は、伝統工法建築等一部を除いて、新築住宅建築は24時間自動換気システムの設置が義務付けられています。

それでも、調理で煮炊きするキッチン、入浴やシャワーで水を使用する浴室、トイレなど、また梅雨時期に室内干しをしたりすると、室内の湿度は上がり、適切に換気をしないと、湿気がこもってしまい、カビが発生してしまう原因になります。生活していく上で発生する水蒸気は外部に排出し、適切に換気することは、高気密・高断熱住宅においても大切です。

換気をすると、室温が下がってしまうのでは?と心配になりますが、最近は換気による室温の変化を防ぐため、熱交換換気システムと呼ばれる換気システムも用いられています。

もう一つ結露で注意すべきは、こうした目に見える表面結露以外の、壁内や床下での内部結露です。室内から壁へ、床や地面から床下へ水蒸気が流れ込み冷やされると、見えない場所で結露が生じます。万が一、断熱材が結露しカビが生じると、本来の断熱性能を維持できなくなります。

こうした内部結露は壁面や床下の防湿層・通気層の設置など適切な施工により防ぐしかありません。施工実績などを確認して、施工に信頼がおける工務店を選ぶようにしてください。

 

暖房器具が限られるって、本当?

高気密・高断熱住宅では、入手が容易で冷房も兼用できるエアコンを用いた温度管理が一般的です。しっかりと断熱されているため、エアコンだけでも部屋全体を温められ、こたつやホットカーペットを活用するだけでも快適に過ごせるかもしれません。

先に述べたように、高断熱・高気密住宅では24時間換気により結露を防いでいますが、石油ストーブや石油ファンヒーターのような室内で灯油を燃やす暖房器具は、水蒸気と二酸化炭素を排出するため室内の湿度を上げることになってしまいます。できることなら避けた方がよいでしょう。 もし使用するのであれば、適切に換気を行うようにしましょう。

おしゃれで人気の薪ストーブでの暖房は、灯油のように水蒸気を出さずに燃焼し室温を上げるため、室内が乾燥しやすくなります。ですがエアコンのように温風が出るわけではないので、あまり気にならないという方もいます。初期費用やランニングコスト面で、他の暖房器具よりは割高になりがちですが、自分がどういった暮らしがしたいのかでじっくり検討すると良いでしょう。

室内に設置した「輻射パネル」内を冷やされた、あるいは温められた液体を循環させ、そのパネル面と、室温の差異から生じる「輻射」によって、壁や床、天井の温度を変化させ、室内を冷やしたり温めたりする「輻射熱冷暖房システム」はおすすめです。

ガスや石油の燃焼を伴わないため、空気の汚れやニオイがなく、また、エアコンのように冷風や温風を吹き出さないので、冷気などが肌に直接にあたる心配もありません。自然な室内温度を保ち、心地よい居住環境を維持できるのが「輻射冷暖房システム」のメリットです。

 

乾燥すると聞いたけど、本当?

冬場の空気は乾燥しているため、エアコンの運転時間を短く抑えることが可能な高断熱・高気密住宅でも、室内が乾燥してしまうことがあります。

乾燥が気になる場合は、上手に加湿器や霧吹きを用いて湿度を管理しましょう。最近は加湿機能を持ったエアコンもありますので、買い替えのタイミングで検討してみるのもよいでしょう。なお、「保湿機能」をうたったエアコンには加湿機能はないので気をつけましょう。

 

逆に、夏はどうなる? 高断熱・高気密だと暑いというのは本当?

高断熱・高気密住宅は、冬の寒い外気を遮断し、室内の温かさを維持してくれますが、これが夏になると室温が上昇してしまうような印象を受けるのかもしれません。しかし、断熱性は夏の暑さをもたらす外気温を遮断し、気密性は室外の高温の空気の侵入を防ぎます。

このため、エアコン等を適切に活用すれば冬は温かく、夏は涼しい状態を維持しやすくなります。高断熱・高気密の家は少しの冷房で家全体の温度を快適に保つことができるわけです。特に吹き抜けを設けた家では、階上のクーラー一台が一階に冷気を落とすため、十分な冷房効果が期待できます。

夏の暑さに対しては日射で温度が上がるため、屋根の断熱や大きな窓からの日射をいかに遮蔽するかがポイントです。 すだれや外付けブラインドの設置、カーテンボックスを設置し、床面まで下がった遮熱カーテンの活用だけでなく、ツル科の植物によるグリーンカーテンを設置したり、庭に落葉広葉樹を植樹したりするのもおすすめです。

植物の活用は外からの日射遮蔽以外にも、室内に置くと、水蒸気を発散することで気化熱による温度低下が期待できます。見た目にもくつろげる植物の利用をぜひ、検討してみてください。

 

 

なぜ今、人気なのか? 高断熱・高気密住宅のメリットは?

ここまで見てきた「高断熱・高気密」住宅の心配事は、換気計画、湿度管理を普通に行っていけばなんの問題もなく、一年中快適な室温で暮らすことができるのです。
でも、高断熱・高気密住宅は、快適な室温だけがメリットではありません

 

光熱費を抑えて、省エネ。地球に優しい

国は「建築物省エネ法」においては、住宅の省エネ性能向上を強く推進しています。

エアコンによる冷暖房は今や当たり前のものとして住まいに取り入れられています。しかし、断熱性や気密性に高くない住宅では、外気の影響を大きく受けるために、エアコンを入れてもなかなか温まりにくく、冷えにくいため、長時間に渡ってエアコンを稼働する必要が出てきます。

高断熱・高気密住宅は、季節によって温度の変わる外気の侵入、熱を遮断し、室温を維持することで、建物自体で快適性を担保しています。そのため、エアコンの使用時間を短くすることができ、光熱費を節約すると同時に、ソーラーパネルや家自体の蓄熱性能などで自然のエネルギーをうまく活用しています。
快適な室温なのに、省エネで、地球環境に優しい住宅なのです。

 

ヒートショックを防ぎ、健康の改善にもつながる

高断熱・高気密住宅は、冬は家全体を温かく保ちます。

ところが、そうでない家の場合、エアコンにより温められた居室から、温められていない廊下を通って浴室や脱衣室、トイレに入った際に、温度変化が大きくなります。 そうした急激な温度変化により血圧が大きく変動し、特に高齢者においては脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす危険性が高まります。こうした現象はヒートショックと呼ばれ、住環境のリスクの一つとしてよく知られています。屋内全体をしっかりと温めることのできる高断熱・高気密住宅はヒートショックのリスクを軽減します。

また、2010年に日本建築学会で発表された「住環境が居住者の健康維持増進に与える影響に関する研究」の調査では、大規模なWeb調査を通じて、断熱性が高い家に住む人ほど様々な疾病にかかりにくく、夏季の睡眠不足や冬季の風邪の発症率が低下することが明らかになっています。

単にヒートショックの予防だけでなく、広く家族の健康を考える上でも高断熱・高気密住宅には大きなメリットがあります。

 

 

高断熱・高気密住宅を手に入れるためのポイントは

家族の健康にも、地球にも優しい高断熱・高気密住宅。 手に入れようと決めたら、ぜひ確認しておいていただきたいポイントをまとめます。

 

家の設計時に気をつけること

高断熱・高気密住宅は設計と同時に施工も重要になります。
今家づくりに取り掛かっている方は、ハウスメーカーや工務店と話をすすめる際、建てる家の断熱性を示すUA値と気密性を示すC値を、どのくらいの目安で設計するのか確認してください。

UA値は次世代省エネ基準で定められているため各社とも性能表示が義務付けられています。

ビルド・ワークスでは、家を建てる地域の地域区分通りのUA値ではなく、寒冷地仕様のUA値をクリアしてはじめて高断熱であると言えると考えています。

C値については次世代省エネ基準から除外されたことから、測定していないハウスメーカー・工務店もあるかもしれません。綿密な気密施工に加えて、施工現場で実際に気密測定を行うコストがかかるため高気密化は敬遠されがちなのです。高断熱・高気密住宅に仕上げたいと考えるならば、C値の目安を答えられる企業を選ぶと安心です。

ビルド・ワークスでは、高断熱指標を3地域(北東北)のUA値0.56を下回るUA値0.49以下を基準にまた、高気密に関してはすべての邸宅で実測を行い、C値0.3W/㎡・K以下という高い気密性で施工しています。

また高断熱・高気密住宅の場合、家屋の日射遮蔽や通風計画もより重要になってきます。 現地調査を踏まえた日照シミュレーションや、家全体に風を行き渡らせるしっかりとした通風計画を考慮した間取りを提案してくれるハウスメーカー・工務店を選ぶことをおすすめします。

 

リフォーム・リノベーションで高断熱・高気密住宅にすることはできる?

いま住んでいる家や、持ち家を高断熱・高気密住宅化を考えた場合、元の住宅の状況にもよりますが、おそらく日射遮蔽や通風計画まで含めて考えると、柱だけを残したスケルトンでのリフォームになる可能性が高いです。

壁の断熱材強化や窓の交換で「高断熱・高気密」まではいかなくとも、暮らしやすい住まいになるかもしれません。ぜひ一度工務店にご相談されてみてはいかがでしょうか。

ビルド・ワークスでもリフォーム・リノベーションをいくつも手掛けています。
参照:ビルド・ワークス「施工事例・実績」

 

 

どこよりも快適な我が家に

高断熱・高気密だけでは、快適な家は建てられません。適切な換気、夏と冬の日射のコントロール、室内に空気の淀んだ場所を作らない通風計画まで含めて設計することで、はじめて高断熱・高気密住宅はその性能を発揮します。

住み心地の良さだけでなく、これからの地球環境にも貢献できる家を建てる。

我が家をどこよりも快適な場所にするために、高断熱・高気密住宅を選択肢の一つとして検討いただきたいと思います。

 

(記事内容 監修:一級建築士 河嶋 一志

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