耐震基準改正の変遷と耐震診断のすすめ方・費用

更新日:
2020.06.16

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建築基準法で定められている「耐震基準」をご存知でしょうか? 耐震基準は、住宅の耐震性能を強化するために、長い年月をかけて少しずつ改正されてきました。今回は、耐震基準の歴史の変遷、そして現在の耐震基準などについてご説明します。自宅の耐震性能を確認したい人や、耐震リフォームを考えている人は、ぜひ参考にしてください。

 

■目次

 

 

耐震基準とは? Iw値・Is値(耐震指標)とは何か?

耐震基準とは、建築基準法によって定められた耐震性能の高い建物を建築するための基準です。

この基準をクリアする耐震性の目安としては、

  • ・震度5の地震が起きても建物がほとんど損傷しない
  • ・震度6〜7の大地震が起きても建物が倒壊しない

の2点となっています。

地震の多い日本では震度5の地震は比較的よく起こるため、そのレベルの地震では建物はほとんど損傷せず、また、まれにある震度6強以上の大地震が起きても、命に危険は及ばない耐震性が求められています。

耐震基準では、建物の耐震性能を測定する際に「保有水平耐力(地震の水平方向の力に対する建物の耐力)」があるかどうかを調べます。しかし旧耐震基準(1980年以前)の建物は現在とは設計法が異なるため、保有水平耐力では正しい耐震性能を調べることができません。

そこで、建物の構造耐震指標(耐震性能)を確認します。木造住宅の場合は「Iw値」、鉄筋コンクリート造建造物の場合は「Is値」となります。

このIw値が1.0以上、もしくはIs値が0.6以上かつ保有水平耐力が1.0以上、だと震度6~7の地震が起きても建物が倒壊する危険性が低いレベルとなります。

 

 

耐震基準はいつからある? その改正と変遷の歴史

日本で初めて耐震基準が導入されたのは、関東大震災の翌年の1924年。その後、1950年に建築基準法が新たに制定されました。

 

大きな改正は1981年(昭和56年)

耐震基準は、1978年の宮城県沖地震(震度5、住宅の全半壊4000戸以上)を受け、1981年に大きく改正されました。1980年以前は「旧耐震基準」、1981年以降は新耐震基準と呼ばれています。

旧耐震基準では、「震度5強の地震が起きても建物が倒壊せず、修復が可能である」というものでしたが、新耐震基準では、「震度6〜7の地震が起きても建物が倒壊しない」「震度5の地震では建物がほとんど損壊しない」に引き上げられました。

 

2000年の改正は、新耐震基準がより強化

1995年に起きた阪神淡路大震災において、多くの木造住宅が倒壊したため、同年に「耐震改修促進法制定」が制定され、2000年には新耐震基準をより強化する基準が設けられました。

1.地盤調査
地盤が弱いために住宅の重みで建物が不揃いに沈むことを、「不同沈下」と言います。これを防ぐために、住宅の基礎を地盤に最適な形状にすることが求められ、その結果、地盤調査が必要になりました。

2.接合部の金物使用規定
柱などの接合部に金具を用いて、より強固にするようになりました。接合部が弱いと、地震が起きた時に柱などが基礎や梁から抜けて、建物が倒壊する危険があるためです。

3.耐力壁のバランスを考慮
耐力壁とは、地震の揺れに耐えるために、建物の構造上、非常に重要な役割を担う壁のことです。窓が多い部屋などは、耐力壁の数が少ないので倒壊しやすくなりますが、耐力壁を住宅全体にバランスよく配置することで、耐震性能がより高くなります。

2016年には熊本地震が発生。大きな被害は旧耐震基準の建築物に集中しましたが、震度7の地震が2回発生した地域では、新基準の建築物でも、仕様不十分や著しい地盤変化などで倒壊したものもありました。※1この結果をもとに、今後、耐震基準はさらに改正される可能性もあります。

このように、大きな耐震基準の変換ポイントは、1981年(昭和56年)と、2000年(平成12年)となりますが、耐震基準や法令は大きな地震が来るたびに見直され、改善されてきました。
地震による被害を教訓とし、より耐震性能の高い住宅を建てるよう強化されています。
参照:※1国土交通省 住宅局 「『熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会』報告書のポイント」

 

 

築年数でわかる耐震基準

つまり築年数を確認すれば、どの年代の耐震基準まで満たされているかを確認できます。

これまでご説明した通り、耐震基準のターニングポイントは1981年。それより以前の建物は旧耐震基準となりますので、震度6以上の地震には耐えられない可能性があります。 1981年6月以降に建築確認の申請が行われた住宅は、新耐震基準になります。

1981年以降から2000年の改正以前に建築された住宅は、新耐震基準をクリアしているものの、地盤の調査や接合部の金具使用が義務付けられていないため、2000年改正以降の住宅よりも、耐震性能は低くなってしまいます。

 

最新の耐震基準を満たしていない物件はリフォームすべき?

耐震リフォームを検討した方が良いのは、1981年よりも前に建てられた住宅。旧耐震基準は震度5までしか対応していないので、震度6以上の地震が起きた時に倒壊の可能性があります。

ただし、1981年より前に建てられた住宅であっても、しっかりと設計され頑丈に建てられた住宅もありますので、一概にリフォームが必要とも言えません。

一方で、たとえ1981年以降に新耐震基準で建てられた住宅であっても、地盤に合わせた基礎工事を行っていない住宅や耐力壁のバランスが良くない設計の住宅などに関しては、リフォームを検討した方が良い場合もあります。

 

 

耐震診断の方法 費用は?

自宅の耐震性能に不安がある場合は、業者に依頼して耐震診断をしてもらうという方法もあります。建築士事務所や地元の工務店に相談してみると良いでしょう。

耐震診断は、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の「一般耐震技術認定者」を取得した技術者が、以前の耐震基準で設計された住宅の耐震性能を、現在の耐震基準に照らして測定します。
まずは予備調査で住宅の築年数、経年による形状変化、使用歴などを確認し、必要に応じて診断レベルを決めていきます。

耐震診断にかかる費用は、依頼する業者や建物の構造、広さにもよりますが、数万円〜40万円前後かかります。自治体によっては助成や無料診断を受けられるところもあります。

耐震診断を受け、耐震基準を満たしていないと判断された場合は、耐震リフォームの検討が必要になります。耐震リフォームは内容によって費用が異なりますので、予算が限られる場合はどこまで改修するかを、リフォーム会社などに相談しましょう。

耐震リフォームも、自治体によっては要件を満たせば助成を受けられます。耐震診断もリフォームも、検討する場合は、まずお住まいの自治体に確認してみることをおすすめします。

 

 

耐震基準適合証明書とは? 建築コストにも影響

古い建物であっても、耐震診断や耐震リフォームを行うなどして、現在の耐震基準に適合していることを証明できる方法があります。それが「耐震基準適合証明書」です。耐震基準適合証明書があると得られるメリットや、フラット35適合証明書との違いについてご説明します。

 

耐震基準適合証明書とは? どこでもらえる?

「耐震基準適合証明書」とは、建物の耐震性能が、現在の耐震基準に適合していることを証明する書類です。

一般的に、中古物件を購入した際に住宅ローン控除といった減税措置を受けられる建物は、以下のように定められています。

  • ・耐火建築物(マンションなど)は築25年以内
  • ・非耐火建築物(木造住宅など)は築20年以内

しかし、耐震基準適合証明書を取得できれば、それ以上の築年数でも控除の対象となります。

耐震基準適合証明書の発行は、改修工事後、建築士に依頼すれば発行してもらうことができます。発行手数料は、依頼する建築士にもよりますが、2万円〜5万円程度が多いようです。(耐震診断などの検査、耐震リフォーム工事には別途費用がかかります)

物件引き渡し前に耐震基準適合証明書を取得しておかないと間に合わない(控除が受けられない)ケースがありますので、よく確認しましょう。

 

フラット35適合証明書とは? 耐震基準適合証明書との違いは?

耐震基準適合証明書に似た証明書で、「フラット35適合証明書」があります。

フラット35は、長期間固定金利でお金を借りることができる人気の住宅ローンですが、全ての物件について住宅ローンを組めるというわけではありません。審査を受け、基準を満たしていると確認されてはじめて利用できます

なお、取得する住宅が「省エネルギー性」「バリアフリー性」「耐震性」「耐久・可変性」に優れた住宅の場合、フラット35Sを利用でき、一定期間借入金利を引き下げられます。

基準には、年齢や収入と返済のバランスなどもありますが対象となる建物にも基準があります。その基準を満たしていると証明するのがこの「フラット35適合証明書」です。

住宅ローン控除を受けるための耐震基準適合証明書とは使用目的が異なりますので、注意しましょう。

 

 

地震の多い日本で安心して暮らすために

日本は地震が多い国です。大切な家族と安心して暮らすためにも、家の耐震性能はとても大切です。不安があれば、耐震診断を検討してみてはいかがでしょうか。自宅が現在の耐震基準を満たしていると分かればより安心して住めます。

耐震性能に不安がある場合は、耐震リフォームという選択肢もあります。あるいは、自宅をリフォームする予定があるならば、同時に耐震化することも可能です。

耐震リフォームは、経験豊富な住宅メーカーに相談してください。
京都、滋賀エリアでの耐震住宅の新築、耐震リフォームは、ビルド・ワークスでも承っております。お気軽にご相談ください。

 

(記事内容 監修:一級建築士 河嶋 一志

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