建築は完成しない
更新日:コラム
― 住まい手とともに育つ家 ―
家は、完成した瞬間に終わるものではありません。
むしろ、
完成した日が、はじまりです。
そこから住まい手の暮らしが入り、
家具が置かれ、
季節が巡り、
家族の時間が積み重なっていく。
建築はその中で、
少しずつ本当の姿になっていきます。
図面では暮らしは描ききれない
設計の段階で、
私たちはできる限り暮らしを想像します。
朝の光の入り方
帰宅してからの動線
家族が集まる場所
静かに過ごす時間
しかし、
どれだけ想像しても、
実際の暮らしのすべてを描くことはできません。
住まいは、
住む人によって完成していくものだからです。
暮らしが空間をつくる
住み始めると、
思いがけない使い方が生まれます。
窓辺に椅子を置いて本を読む場所になったり、
廊下の一角が子どもの遊び場になったり、
何気ない場所が家族のお気に入りの場所になったり。
それは設計者がつくった空間というより、
暮らしがつくった空間です。
私たちは、
その余白を大切にしたいと考えています。

変化を受け入れる家
家族の暮らしは変わります。
子どもは成長し、
生活のリズムも変わり、
使い方も少しずつ変化していきます。
だからこそ、
家は変化を受け入れる器であるべきだと思っています。
間取りを固定するのではなく、
暮らしの変化に合わせて使い方が変わる空間。
それが、
長く住み続けられる家の条件だと感じています。
建築は、関係をつくる
建築とは、
壁や屋根をつくることではありません。
人と空間、
人と時間、
人と家族。
そうした関係を静かにつくること。
それが、
建築の本質ではないでしょうか。
住まい手とともに育つ建築を
家は、完成した瞬間が最も美しいわけではありません。
暮らしが重なり、
時間が流れ、
その家にしかない風景が生まれていく。
その変化こそが、
建築の本当の価値だと思います。
私たちはこれからも、
住まい手とともに育っていく建築を
丁寧につくり続けていきたいと思います。
BUILD WORKs
代表取締役 河嶋 一志